蜂の子は血圧を安定させる効果あり

 昆虫食は世界各国で習慣があり、そのメリットは栄養の豊富さにあるといわれています。日本での昆虫食の代表のひとつが蜂の子です。蜂の子は栄養価が高く、血圧を安定させる効果も備えています。

■蜂の子の栄養

 蜂の子は主要栄養素として、たんぱく質、炭水化物、脂質、繊維質、水分を含みます。またビタミンC、ビタミンB群、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸の数々を含み、多くの効果、効能を備えた食品です。

 その中で、血圧に関して注目したい成分がビタミンB群に含まれるビタミン様作用物質のコリンです。蜂の子100gあたり168.4mgと多くのコリンが含まれています。

■コリンの働きと血圧の関係

・ビタミン様作用物質

 ビタミン様作用物質はビタミンと同様の作用を持ちながらビタミンの定義には該当しない物質をいいます。ビタミンは、人の体内で合成されず、微量栄養素で、不足すると欠乏症が起きるという3つの条件を満たさなくてはなりません。

 コリンは体内でアミノ酸から合成されるので、ビタミンの条件を満たさず、ビタミン様作用物質とされています。

 ビタミン様作用物質はコリン以外にビタミンQ、ビタミンP、イノシトール、ビタミンUなどがあります。

・コリンの働き

 コリンは脂肪を燃焼し肥満を防止する効果があり、脂肪肝の発生を予防する働きを持っています。また、コリンは神経伝達物質のアセチルコリン、リン脂質のレシチンなどの成分になります。アセチルコリンは血管を広げ、血圧を低下させる働きを持っています。

 レシチンは血行を良くし、コレステロールの血管への付着を阻止し動脈硬化を予防し、心臓病や脳梗塞、そして高血圧などの生活習慣病の予防に働きます。

・コリンの摂取量と過剰、欠乏症

 厚生労働省はコリンの推奨摂取量は定めていませんが、一般に、一日に約300〜1200mgの摂取が望ましいとされています。摂取上限は3500mgです。

 コリンは水溶性で、過剰に摂取しても体外に排出されるので、過剰症はありません。欠乏すると成長抑制、高血圧、腎不全、脂肪肝などを生じる可能性があります。

・コリンを含む食品

 コリンはレバー、大豆、肉類、卵などに多く含まれています。100gあたりに含まれるコリンの量は卵黄630mg、牛肉赤身91mg、生大豆65mg、枝豆46mgとなっています。

■高血圧予防には

 高血圧は一般に高い方の血圧の数値が140以上とされています。高血圧の方は喫煙によりその症状が悪化します。高血圧を放置すれば、脳梗塞や心筋梗塞を起こす原因となります。血圧を安定させる働きのあるコリンを含む蜂の子は、サプリメントでも摂取できるのでおすすめです。