蜂の子とうつ

 蜂の子には多くのアミノ酸をはじめビタミン、ミネラルがバランスよく含まれています。蜂の子は耳鳴りや難聴に効果があるといわれていますが、軽度のうつ症状の改善にも有効な働きがあります。

■うつに関わる神経伝達物質

 うつ病の原因については現在のところ、はっきりとは解明されていません。しかし、うつ症状には神経伝達物質であるノルアドレナリン、セロトニンが関与していることが明らかになっています 。人は強いストレスを受けると脳内の神経伝達物質がうまく作用しなくなり、うつの症状が出ると考えられています。

・神経伝達物質とは?

 神経伝達物質は脳内で 神経同士を繋ぐシナプスという部分で情報の伝達を受け渡しする物質です。情報伝達物質はセロトニン、グルタミン酸、ギャバ(γアミノ酪酸)、ノルアドレナリン、ドーパミン、ヒスタミンなどがあり、それぞれ別の情報の伝達を行います。

■蜂の子に含まれるトリプトファンからセロトニンを合成

・必須アミノ酸トリプトファン

 蜂の子はトリプトファンという必須アミノ酸を含んでいます。トリプトファンはセロトニンを作り出す材料になります。

■セロトニンのうつに対する効果

 セロトニンは食欲や性欲、不安感の高まりに関連した神経伝達物質で、セロトニンが不足するとうつの症状がでると考えられています。そのため、うつ病の処方薬にセロトニンを増やす抗うつ薬が使用されています。セロトニンは自律神経を調節する働きがあり精神を落ち着かせ、自律神経の乱れからくるさまざまな症状を改善します。

 うつ症状がでると、特によく眠れない、眠りが浅い、夜中に何度も目覚めるなどの睡眠障害が起こりやすくなります。セロトニンは脳の松果体でメラトニンというホルモンになり自然な睡眠に導く働きがあり、睡眠のリズムを整え、規則正しい睡眠を得られる助けになります。

・セロトニンが不足する原因

 セロトニンの不足がうつの症状をひき起す原因のひとつだと考えられていますが、現代の典型的ともいえる生活習慣もセロトニンの不足に影響を及ぼしています。たとえば、長時間に及ぶパソコンやスマホの操作、運動不足、不規則な睡眠や食事などの生活が続くと、セロトニンが活性化されなくなります。

■ セロトニンを効果的に得るためには蜂の子

 うつ改善に期待されるセロトニンを効果的に利用するためには、トリプトファンを含む蜂の子の摂取が効果的です。トリプトファンは必須アミノ酸のひとつですが、トリプトファンだけを多く摂取してもその効果は得られません。必須アミノ酸はバランス良く摂取することによって、その効果を発揮します。その点、蜂の子は9種類、すべての必須アミノ酸を含む優れた食品です。

 うつを改善するためには、ストレスを少しでも軽減できるように、不規則な生活習慣を見直すことも忘れてはならない大切な要素です。