蜂の子とプロポリスの比較

 蜂の子とプロポリスはどちらも蜂に関係し、健康食品としてサプリメントも販売されています。健康増進のため、どちらを選ぼうか迷っている方も少なくないと思います。そこで蜂の子とプロポリスをさまざまな面で比較してみました。

■蜂の子とは?

 蜂の子はミツバチ、クロスズメバチ、スズメバチ、アシナガバチなどの蜂の幼虫とさなぎで、古くから日本各地の山間部で食用とされ、現在では高級珍味あるいは健康食品として販売されています。

■プロポリスとは?

 プロポリスはミツバチによって集められた樹脂や樹液と、蜂の唾液の粘着性のある混合物で、蜂ヤニとも呼ばれます。ミツバチはプロポリスを巣の修繕などに使い、巣を無菌状態に保ちます。プロホリスは外敵や細菌などから巣を守るための強力な殺菌作用があり、抽出液が主に健康増進や美容のために利用されています。

■効果、効能

・蜂の子

 蜂の子は自律神経を整える働きがあり、耳鳴り、難聴の改善に効果があります。アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が非常にバランスよく含まれている蜂の子は、滋養強壮、育毛、美肌などの美容効果も期待できます。

・プロポリス

 プロポリスは殺菌、抗菌力が強く、免疫機能の向上に効果があり、炎症を抑制し、風邪やインフルエンザの予防に役立ちます。また口臭や歯周病の予防、抜け毛の予防、美肌効果をはじめ、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー症状の改善にも効果が期待されています。

■成分

・蜂の子

 蜂の子はたんぱく質、炭水化物、ビタミンC、ナイアシンやパントテン酸などのビタミンB群、ビタミン様作用物質のコリン、カリウム、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅などの多くのミネラルなどを含んでいます。

 蜂の子の大きな特徴として、9種類の必須アミノ酸、10種類の非必須アミノ酸を含み、理想的なアミノ酸のバランスを保っています。必須アミノ酸はストレスを軽減し、自律神経の調節に関与します。

・プロポリス

 プロポリスの成分は原産地とミツバチの種類により違いがあります。プロポリスはブラジル、アルゼンチン、イギリス、イタリア、エジプト、ブルガラリア、オーストラリアなど世界の国々で採集されていますが、日本ではブラジル産のものが最も広く使用されています。

 プロポリスの共通の成分は樹脂、パルサム、蜜蝋、エーテル油、花粉です。ビタミン、ミネラル類も含有していますが量的には少量です。

 プロポリスには抗ストレス、抗菌作用、抗酸化作用のあるフラボノイドが豊富に含まれています。フラボノイドはビタミンPを含み、ビタミンCと一緒に摂取するとウイルス感染などの病気から体を守る働きがあります。プロポリスにはビタミンCは含まれていないため、ビタミンCを含む野菜や果物と一緒に摂取すると効果的です。

■副作用

・蜂の子

 蜂の子には副作用はありません。ただし蜂アレルギーや食物アレルギーのある方や、喘息の持病がある方が摂取すると、アレルギー症状をひき起す危険性があります。 また、えびやカニなどの甲殻類アレルギーのある方は、そのアレルゲンであるトロポミオシンというたんぱく質が蜂の子にも含まれているので、摂取しないように注意が必要です。

・プロポリス

 プロポリスも蜂の子と同様に、蜂アレルギー、食物アレルギー、喘息の方はアレルギー症状が出る可能性があります。

 値段の安い粗悪品のプロポリスの中には、有害な物質や不純物が含まれている可能性があり、そういったプロポリスを摂取すると、胃腸障害や下痢をひき起す場合もあります。また過去には、プロポリスの摂取により肝機能障害を含むアレルギー反応が出たという報告もあります。

 蜂の子、プロポリスとも、何らかのアレルギーを持っている方は、摂取を控えるようにしましょう。