蜂の子と免疫の関係

 ウイルスから体を守り、さまざまな病気に対する抵抗力をつけるためには免疫力を高める必要があります。長野県や岐阜県で郷土料理として昔から親しまれている蜂の子は耳鳴り、難聴を改善し、免疫力を高める効果があり注目されています。

■免疫、免疫力

 免疫力は人の体に備わっている病気から守る力のことです。外から侵入してきたウイルスや細菌を攻撃、撃退し体を守ります。免疫は、 元々は人の細胞であったものが変質したがん細胞なども異物とみなし攻撃します。

 免疫力が強いと風邪や病気になりにくくなります。リンパ球、顆粒球などの免疫細胞、抗体、サイトカインなどの免疫物質が免疫のシステムを制御しています。

■リンパ球、NK細胞の働き

 免疫のシステムの中で、NK細胞は重要な働きをしています。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は体内のウイルスや悪性の細胞をすぐに攻撃、排除する免疫細胞です。このNK細胞が活発に働く状態であれば、ウイルスに感染したり、細胞ががん化しても、すぐに見つけ出して攻撃し、健康を保つことができます。

 しかし免疫力がバランスを崩し弱まってしまっては、NK細胞はウイルスや悪性細胞を攻撃する力を失い病気になってしまいます。

・蜂の子とNK細胞

 国内で行われた蜂の子を使った実験で、蜂の子はNK細胞の活性化に役に立つ可能性があるという結果が出ています。

■T細胞、B細胞の働き

 ウイルスなどに感染すると、それを排除するために、T細胞、B細胞が働きます。

 T細胞はヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞があり、それそれの役目を果たしてウイルスを撃退します。B細胞は抗体を作る免疫細胞で、外部から侵入した異物に対しての抗体を作り撃退する助けを果たします。

■蜂の子の 免疫力を高める成分

・ビタミン

  蜂の子はビタミンCとビタミンB群をバランス良く含みます。 ビタミンB12、パントテン酸、ピリドキシン(ビタミンB6)はお互い協力し合って働き、外部からの細菌、ウイルスを排除するT細胞やB細胞をうまく連携させて免疫力の働きを正常にします。

・ ミネラル

 ミネラルが不足すると免疫力が低下します。蜂の子はミネラルとして亜鉛、マグネシウム、カルシウム、リン、カリウム、鉄、銅、ナトリウムを含んでいます。

 蜂の子に含まれるミネラルのひとつ、亜鉛はリンパ球が多く存在する胸腺を活性化しT細胞の機能を高める効果があり、免疫力アップに働きます。

 マグネシウムは体の中の300以上の酵素に関与しているミネラルで、特にマグネシウムが不足すると免疫機能の低下を招きます。

■蜂の子で病気を予防

 蜂の子はこのように多くの種類のビタミン、ミネラルを含みます。蜂の子は免疫力を高め、体を健康に保ち、インフルエンザや風邪など、ウイルスによる感染症やさまざまな病気を予防する効果があります。

 蜂の子は高級珍味として瓶詰、缶詰にされた佃煮などが販売されているほか、サプリメントでも入手できます。サプリメントは虫が苦手な方でも抵抗なく摂取できるのでおすすめです。