蜂の子に含まれる亜鉛の効果

 食品やサプリメントとして、その高い栄養価に注目が集まっている蜂の子は亜鉛も含んでいます。現代の日本人の食事に不足しがちな亜鉛は、人の器官や組織で重要な役割を担う栄養素です。蜂の子に含まれる亜鉛の効果についてご紹介します。

■蜂の子の亜鉛の含有量

 蜂の子は100gあたり1.60mgの亜鉛を含んでいます。

 2015年の厚生労働省発表の亜鉛の推奨摂取量は成人男性で一日に10mg 、成人女性で8mg となっています。妊娠中の方は+2〜3mgとなります。

 亜鉛は動物性食品の肉、魚介類に多く含まれています。

 亜鉛を多く含む食品の筆頭にあげられるのが牡蛎です。牡蛎に含まれる亜鉛は100gあたり13.2mgと群を抜いて多くなっています。同量の牛肉(肩ロース)で4.6mg、イカナゴで3.9mg、プロセスチーズで3.2mg、たらこで3.1mgとなります。

■亜鉛の体内分布

 亜鉛は体内の骨格筋、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓などにたんぱく質などと結合して存在しています。体内に分布する亜鉛の量は体重70kgの人で約2.5gとされ、その内60%は筋肉に、25%は骨に存在しています。

■亜鉛の効果

・抗酸化作用

 亜鉛は増えすぎると老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用があります。

・成長促進

 亜鉛は細胞分裂に必要なミネラルで、乳児や成長期の子供の成長を促進する働きがあります。

・生殖機能維持

 亜鉛は精子や精液、男性ホルモンの合成や、性腺刺激ホルモンの分泌を促進します。女性の場合は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌を促進し、生理不順の解消に働きます。

・免疫機能の向上

 免疫をつくるT細胞やナチュラルキラー細胞などの働きに影響し、T細胞を活性化させる胸腺ホルモン、チムリンの活性化にも関与します。

・血糖値の維持

 亜鉛は血糖値を下げるホルモンであるインスリンの生成に必要とされ、血糖値の維持にも関わっています。

・細胞分裂、DNAの複製

 亜鉛は細胞分裂には不可欠なミネラルで、不足するとDNAの複製に影響し、細胞分裂が正常に行われなくなります。細胞分裂が活発な組織には多くの亜鉛が必要になります。

・味覚の維持

 人の舌の粘膜には9000個の味覚の細胞があり、細胞が味を味覚神経へ伝えることにより味を感じることができます。味覚の細胞は亜鉛を多く含有し、不足すると細胞の形成が壊れ、味覚を感じることができなくなります。

・アルコール分解

 体内のアルコールは、肝臓でアルコール脱水素酵素により無害な酢酸に分解されますが、アルコール脱水素酵素を構成する成分のひとつが亜鉛です。不足するとアルコールの代謝がうまくいかなくなります。アルコールを沢山飲む人は、亜鉛不足になりやすいです。

・髪、爪の健康維持

 亜鉛は髪の毛の成長を助け、健康な髪の毛を作るために必要な成分です。また爪の角質細胞のケラチンという成分の合成に関与するので、不足すると爪の健康が損なわれます。

・傷の治りを早める

 亜鉛は細胞分裂に不可欠な成分で、傷の細胞の新陳代謝を促進し、治りを早める効果があります。

■亜鉛不足の影響とは?

 亜鉛が不足すると成長障害、性的な発育の障害、皮膚炎、免疫機能の低下、味覚障害などの原因になります。

■亜鉛の摂取上限量

 亜鉛をサプリメントなどから大量に摂取すると急性の亜鉛中毒になり、胃腸障害、めまい、吐気などが起きる可能性があります。厚生労働省では、摂取上限量を成人男性で一日に40〜45mg、成人女性で35mgと定めています。

■蜂の子に含まれる亜鉛と他の栄養成分の相乗効果

 蜂の子に含まれる亜鉛はそれほど多い量ではありません。しかし、蜂の子には数多くのアミノ酸やビタミン、ミネラルが含まれ、亜鉛との相乗効果により、亜鉛の持つ働きをより効果的に活用できる利点があります。

 蜂の子に含まれているビタミンCと亜鉛の相乗効果は育毛を促進し、亜鉛とマグネシウムは聴力回復に働きます。

 蜂の子は自然食品で、特に不足を心配する成分がない程、栄養バランスの取れた優れた食品です。どうしても見た目が苦手な方は、蜂の子のサプリメントの摂取をおすすめします。