蜂の子とアレルギー

 栄養価の高い蜂の子ですが、食物アレルギーや蜂アレルギーのある人は、蜂の子を食べることによりアレルギー症状が起きる危険性があります。アレルギー体質の人は注意が必要です。

■蜂アレルギーのしくみ

 蜂の毒にアレルギーのある人が蜂に刺され、蜂の毒が体内に入ると抗体ができます。その後、再び蜂に刺され蜂の毒が侵入すると、抗原抗体反応が起きます。これが蜂の毒によるアレルギー反応で、嘔吐、腹痛、蕁麻疹、むくみ、下痢、息切れなどの症状が全身に現れます。

 さらに酷い場合は、呼吸困難や血圧の急降下、意識を失うといったアナフィラキシーショックが起きます。蜂毒の反応時間は早く、多くの場合、刺されてから15分以内にアレルギーの症状が現れます。特にアナフィラキシーショックが起きた場合、15分程で心停止という報告もなされています。

 厚生労働省の報告によれば、日本では年間、蜂毒のアレルギーから20人程の人が亡くなっています。

■蜂の子の摂取とアレルギー

 蜂に刺されてアレルギー症状が出た人は、蜂の子を摂取する事によってもアレルギー症状が出る危険がありますので、蜂の子の摂取は控えるべきです。

 蜂に刺された事がなくても、食物アレルギーのある人も注意が必要です。一般に食物アレルギーは小麦や卵、牛乳,大豆などに含まれるたんぱく成分がアレルゲンになります。蜂の子は豊富なたんぱく質を含有していますので、アレルギー体質や喘息の人は、蜂の子を摂取する前にアレルギーチェックが必要です。

•甲殻類アレルギー

 えび、カニなどの甲殻類アレルギーは、トロポミオシンというたんぱく質の一種の物質がアレルゲンとされています。トロポミオシンは、甲殻類以外に、蟻、蜂の子、イナゴ、カイコガなどの昆虫にも含まれています。従って、甲殻類アレルギーのある人は、蜂の子を食べないように気をつけましょう。

■蜂の子のサプリメントとアレルギー

 アレルギー体質、喘息、蜂アレルギーのある人は蜂の子のサプリメントも注意が必要です。サプリメントの注意書きをよく読み、蜂以外に使われている材料も確認する必要があります。市販の多くのサプリメントには、注意書きとしてアレルギー体質の人の服用は避けるように指示されています。自己判断せず、必ず事前に医師に相談してみましょう。

■まとめ

 蜂の子は自然の食品ですので、特に副作用はありません。しかし蜂毒アレルギーや甲殻類アレルギー、喘息がある場合などは蜂の子を摂取するとアレルギー反応や、ひどい場合はアナフィラキシーショックが起きる可能性がありますので、摂取を控えるようにしましょう。