蜂の子に含まれるトリプトファンとは?

 蜂の子の大きな特徴として、数多くの種類のアミノ酸が含まれていることが挙げられます。その中で必須アミノ酸のひとつ、トリプトファンの特徴と働きについてご紹介しましょう。

■蜂の子に含まれる必須アミノ酸〜トリプトファン

 人の体の20%はたんぱく質で作られ、そのたんぱく質は20種類のアミノ酸で構成されています。アミノ酸はたんぱく質を作る元になる成分です。

 アミノ酸は体内で合成できる非必須アミノ酸と、体内では作れず、食物から摂取しなければならない必須アミノ酸に分けられます。必須アミノ酸は9種類あり、トリプトファンはそのうちのひとつです。トリプトファンは牛乳から発見されました。

■トリプトファンの効果

・精神を落ち着かせる効果

 トリプトファンは神経伝達物質のセロトニンの合成材料となります。セロトニンは消化管、血液、脳内の中枢神経に存在します。脳内のセロトニンは 興奮や不安を鎮め、気分を落ち着かせる効果があります。

・鎮痛効果

 海外の実験で、トリプトファンは痛みを和らげる鎮静作用があることが報告されています。

・体内リズムを整える効果

 トリプトファンから合成されたセロトニンは、脳の松果体でメラトニンというホルモンに変換され、自然な睡眠に導く効果を発揮します。メラトニンは夜に多く分泌され、体内時計を調整し、時差ボケの解消に役立ちます。

・老化防止効果

 トリプトファンは、体内の過剰な活性酸素を除去し、老化やさまざまな病気を予防する効果が期待されます。

・PMS(月経前症候群)の緩和
 トリプトファンから合成されるセロトニンは月経前の過食やイライラを抑える効果があります。

■セロトニンを合成するには

 トリプトファンからセロトニンを合成するには、ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムが必要です。蜂の子はナイアシン、マグネシウム、ピリドキシン(ビタミンB6)も含んでいます。

■トリプトファンを含む食品

 トリプトファンの摂取基準は特に定められていません。トリプトファンは胡麻、かつお、マグロの赤身、鶏肉、豚ロース、たらこ、大豆、高野豆腐などに多く含まれています。 これ以外にも野菜、果物、卵、乳製品など、さまざまな食品に含まれています。

 通常の食事を摂っている限り、トリプトファンが不足する心配はありませんが、極端なダイエットなどでトリプトファンが不足した場合、情緒不安や良い睡眠が得られなくなる可能性があります。

■トリプトファンの過剰摂取と注意

 トリプトファンをサプリメントから長期間に渡り過剰に摂取した場合、肝臓や腎臓の病気になる危険性があります。また胃痛、下痢、胸焼け、頭痛、筋力低下、嘔吐などが起きることもあります。サプリメントからトリプトファンを摂取する場合、必ず商品に記載されている用量を守ることが大切です。

 肝臓、腎臓の病気がある方や、抗うつ薬を服用している方はトリプトファンのサプリメントの摂取は控えるようにし、医師に相談しましょう。

 妊娠中、授乳期もサプリメントからのトリプトファンの摂取は控えた方がよいでしょう。

 食品からのトリプトファンの摂取では、過剰摂取になる心配はありません。

■トリプトファンの効果を得るには

 トリプトファンの持つ効果を得るためには、トリプトファンだけを多く摂取するのではなく、他のアミノ酸やビタミン、ミネラルなどの栄養素と一緒にバランス良く摂取することが大切です。その点、蜂の子は栄養のバランスが良く、トリプトファンの効果を有効に利用できる優れた食品だといえます。